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『哭声/コクソン』

映画「哭声/コクソン」を観る。この映画は、非常に怖い。

得体の知れないよそ者が来てから、平和な田舎の村(この村の名前もコクソンという。)で、残忍な殺人事件が頻発する。しかも、それらは、毒キノコか魔術かで正気を失った者たちが、身内を惨殺するという者だった。
この村の警官であるジョングは、山奥に住むよそ者の日本人(國村隼)が怪しいと調べ始めるが、既にその魔手はジョングの愛娘に及んでいた。
後半は、以下三人の三つ巴の戦いとなるが、結局真実は明らかにされない。この辺りは、作り手側が見るものの想像に結末を委ねたのであろう。

怪しいよそ者:山奥に独りで住み動物の生肉を貪り喰らい、自宅の秘密部屋には無数の殺人被害者の写真を飾る祭壇で行う儀式は何を意味するのか?
謎の白い服を着た若い女:怪事件の目撃者。怪しいよそ者の行動を監視し、事実を知っているようだが、こちらも正体不明の怪しい存在
祈祷師:単なる金儲けの俗物と思いきや、上記二人と対抗する怪しい男

ジョングは愛する娘を必死に守ろうとするが、最後は力尽きてしまう、悲しい父親を好演していた。

全般通して、まるで横溝正史の角川映画(ストーリー的に八つ墓村か?)を彷彿とさせるミステリーに、韓国の恐怖感テイスト(呪術的要素)が加わって、独特の恐怖感を楽しめる。
いやー、それにしても國村隼演じる得体の知れない日本人は怖い。

「チェイサー」「哀しき獣」ナ・ホンジン監督最新作『哭声/コクソン』公式サイトクァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ2017年3月11日(土)公開

情報源: 『哭声/コクソン』公式サイト

『お嬢さん』

映画「お嬢さん」を観る。
<以下、ネタバレ>

鬼才パク・チャヌクが、原作サラ・ウォリターズの「荊の城」を、日本統治下の韓国に置き換えた。
日本贔屓の叔父により怪しげな豪邸に囚われたお嬢様を中心に、財産目当てに彼女を騙そうとする詐欺師と、新入り女中として送り込まれたその手下が、騙し合う。どれが事実か、3部構成で観客をミステリーの世界に誘う。

何よりも、演出が素晴らしい。日本統治下の韓国という時代設定で、怪しげな豪邸も雰囲気十分だし、お嬢様にわい本を日本語で朗読させる場面など、何ともエロティックである。
男と女には愛情などなく打算だけ、女同士には真実の愛情があった。
それにしても、秀子お嬢様(キム・ミニ)の美しいこと、彼女のお姿だけでも一見の価値あり。

狂おしい官能と欲望の罠。究極の騙し合いを描いた、パク・チャヌク監督最新作にて超衝撃作。

情報源: お嬢さん|絶賛公開中!

バンコクナイツ

映画「バンコクナイツ」を見る。

日本に居場所のない男達と、そんな彼らを相手に商売をする女達の物語だ。
物の見事に、その逆はない。日本人の女は一人も出演しないし、タイの男も同様である。
物語の核はこうだ。
裕福に見える日本社会ではうだつのあがらないおちこぼれの男達が、金にものを言わせて、タイで性のはけ口を求める。
タイの若い女達は、家族を養うために、したたかにそれを利用する。お互い、持ちつ持たれつである。
そんな中で、毎日をしたたかに生きていく。家族を含めて周りの人間に嫌気が指して非難しながら、自分も同じ穴のムジナである。
主人公のラックとオザワを中心に、この映画に出てくる登場人物は、ひたすら濡れ手で粟の金の亡者となりながら空虚な日々を、皆同じように生きている。

そんな中、オザワはとある仕事でラオスとの国境に行く。そこは、過去の戦争の傷跡が生々しく今も残り、そこに現代の若者たちが共産国家を再建しようとする不思議な地域だった。
そこで、オザワは目覚める。このままの空虚な毎日からの脱出を。そして、ラックも目覚める。現実の世界の厳しさを
覚醒した二人は、新しい人生をバンコクで生きていこうと決意する。

自分には、最初バンコクの繁華街が場末の東京のように映ったが、ちょっと街を外れると素朴なアジアの田舎である。
日本もかつてそうだったように、そこには素朴な人々が家族で身を寄せ合って、慎ましい生活を送っているのである。

映像制作集団 空族 最新作「バンコクナイツ」オフィシャルホームページ。

情報源: BANGKOK NITES 空族最新作「バンコクナイツ」