「Movie」カテゴリーアーカイブ

愛と誠

自分が子供の頃、梶原一騎という天才がいた。
「巨人の星」、「タイガーマスク」、「あしたのジョー」どれも秀作で、みな熱狂した。
それぞれ、思い入れはあるのだけど、個人的には梶原一騎の後期作と言える「愛と誠」が懐かしい。

冒頭で紹介されている、ネール元インド首相の言葉より
愛は平和ではない
愛は戦いである
武器のかわりが誠実(まこと)であるだけで
それは地上における
もっともはげしい
きびしい
みずからをすててかからねばならない戦いである―
わが子よ、この事を覚えておきなさい

その通りなのだ。お嬢様育ちの早乙女愛と、逆境の中で育った大賀誠が、子供の頃スキー場で出会う。そこから、運命は始まる。
1970年代の息吹を感じさせる、愛の戦いだ。
西城秀樹と、正真正銘の早乙女愛も良かった。近年の、妻夫木聡と武井咲の「愛と誠」は、1970年代ものを踏襲していた意味で素晴らしかった。最近の若者にどう映るかは別として。

高倉健

昨年、高倉健が亡くなった。私の大好きな俳優だっただけにかなりショックだった。
あれから、僅かしか経っていないのに、書店に彼の追悼関連の書籍が並ぶ。それらを手にとって、改めて、彼の人柄を偲ぶ。幾つかの作品があり、どれもが非常に印象深いのだけど、その全てにおいて、彼の存在感が際立つ。

個人的に、最も印象深いのは 1980年後半だろうか、日本生命の CMだ。
「不器用ですから、どうかお幸せに」
そのようなセリフで、静かに背中を向ける。男のダンディズムを、これほど感じさせる男優は、かつていなかったしこれからも出てこないであろう。

そう、彼の魅力は女性にもてるより、むしろ男が惚れる男なのだ。まさに、頼り甲斐のある兄貴。
そんな、彼を慕って、「鉄道員」の舞台の幾寅駅に二度も行った。あの映画の中の彼を慕って。
青森八甲田山に行った時も、「八甲田山」の撮影シーンに想いを馳せた。

あのような俳優が、再来するのだろうか?人はいつも悲観的に、過去を懐かしむ。
 

さよなら歌舞伎町

映画レビューです。

いわゆるグランドホテルもので、とある歌舞伎町のラブホテルの24時間を舞台に、数組のカップルが入り乱れての人間模様が面白い。
・超高級ホテルに勤めていると周囲を偽るラブホテル店長と、ミュージシャン志望の彼女
・風俗に勤めて貯金がたまり帰国直前の女と、料理人で思うように金が貯まらず帰国できない男の、韓国人カップル
・ラブホテルの女従業員とその男は、指名手配されていて時効直前である。
・デリヘルで働かせる女を物色するスカウト男と、不幸な家出少女
・不倫関係の、女刑事とその上司刑事

さまざまなカップルの中で韓国人のカップルが一番幸せだったのでは?特に、男が女を許す場面がとても包容力があってよかったと思う。

ラブホテルの店長染谷将太が、「俺はここにいるべき人間じゃない。ここは単なる繋ぎなんだ。」と自分に言い聞かせるシーンが何とも切ない。そう、それぞれの人物がそう思いながら、懸命に生きている、そんな映画だった。

情報源: イントロダクション|映画『さよなら歌舞伎町』公式サイト